黒い高級車

■8/15 黒い高級車

本日から一部通常入荷。明日からは平常通りに(やっと)戻る。

毎日発注できると不思議と安心できて、発注も安定するんだけど、
連休でメーカー入荷が無いとなると、やはり不安になって、
品切れが怖く、多く発注しちゃうんですよね。

と言う事で、本日は入荷ゼロと致しました。
・・とにかく、冷蔵庫にある物を売り切ろうと言う事でして。

週末になると、また入荷もあるのでその前になんとかサッパリとしたい。

・・帰省客が帰れば、財布の紐が締まるも時間の問題なんです。
ウソのように全然売れなくなるんです。

午後から余裕があったので、音次郎に牛肉の商品作りを教える。

簡単な焼肉用の手切りはさせていたのだが、スライサーは初めて。
・・簡単な切り落としと、うす切りに挑戦させる。

・・しかし見た目が全然ワカランと、ヤツはおっしゃるのでございます。
牛肉を見ただけで、部位が解かる様になるまで特訓である。

そんな平穏な畜産ルームに、店長が慌ててやって来る。
「大変だ!車が乗り上げた!」

テメーの安車なんざ、乗り上げたってわたしにャ関係ねーんだよー、
あんなボロ車、さっさとスクラップして原付で通いやがれ
と思いつつ行ってみると、

3ナンバーの黒い車が車止めを跨いで、その前の側溝に前輪がはまっている。

・・よくもまあ、こんなところ乗り上げたのは、ダレだと思ったら、
恥ずかしそうにしているお客さま。

おお!美人若妻

男性社員で汗水流して引き上げる。

しかし、ナカナカ上がらず、バイトからお客さまから約20人で引き上げる。

なんとか、キズも付けずに車を引き上げた。

「・・スミマセン、お騒がせしました。」
美人若妻は恥ずかしそうに、御礼を言って帰って行った。



「あそこの店は親切で、車引き上げてくれたって喜んでるよ。」

「・・はあ。そうですねぇ。」

「それがウワサになって、口コミでお客さん増えるかもなー。」

「また、あの奥さんも頻繁に来るだろう。」

「・・・」

もし、わたしがあの美人若妻の立場だったら、
車乗り上げて20人で引き上げてもらったスーパーへは、
恥ずかしくて二度と行けないし、ましてや誰にも言わない
だろう。

嬉しそうな店長には、あえて言わない事にした。