飲酒運転じいさん

■8/18 飲酒運転じいさん

夜間担当が休みで、ワタシが閉店まで居る事になる。

たまにゃあ、てんちょーが「お!俺が代わろうか??」と言って、
コーヒーの一本くらい買って来てくれれば、気の利いたヤツだと思うのだが、

財布のヒモを恐妻に握られ、なおかつ帰りは早くないと締め出されるらしい。

あげくの果てに、御局が酒コーナーの品出しまで言いつけていった。
彼女の人生は抜かりだらけだが、シゴトに抜かりは無い。

「おい。それ俺にも一本よこせ。」
缶ビールを冷蔵ケースに品出ししていると、酔っ払いのオヤジが寄って来た。

「あの、お客さま・・こちら冷えておりませんが。もしよければコチラの方を・・。」

既に冷えている缶ビールを勧めたが、
「こんな冷てービール飲ませて、腹が壊れたらどうする!!」
・・と抜かしやがってイラッシャルので、ハコの物をお渡しする。

「あの・・お客さま。店内禁煙となっておりますが・・。」

「禁煙?店の入り口に灰皿があったじゃねーか!」

「店内入り口の一部が、喫煙コーナーとなっております。」

「ホントにこの店は、従業員の態度がなっとらん!!町中うわさだ!」

「はぁ。。誠に申し訳ございません・・。」

なんたらかんたら20分くらい、よく聞き取れない念仏を唱え続けた。
・・と急に静かになり、店を出て行った。

それから1時間後、閉店時刻になったので駐車場の見回りをする。
するとさっきのオヤジが、車止めを枕に熟睡していた。

おめー・・朝刊に載る気か。

オヤジの首が吹っ飛んで、朝刊にでも載り、ワタシの首が吹っ飛ぶのも困るので、
優しくモーニングコールする。

「お客さま。閉店の時刻となります。」

「ナニ??貴様・・駅前のスーパーは、10時までやっとるぞ・・。」

「申し訳ございません・・またのお越しを御待ち致しております・・。」

「・・うむ・・。」

さすがに外は熱かったのか、素直に立ちあがって帰って行った。

なんとかレジを閉めて閉店した。

帰路、店から5キロほど走った農道で、パトカーが止まっている。
事故か検問かと思い、速度を落として覗き込む。
パトカーの横に、原付バイクが停まっていて、運転手らしい男性が捕まっていた。

まさしくあのオヤジ・・

飲酒運転は立派な減点である。