スーパーの衛生管理について考える

「主任に、ケースが汚いって言った日には、ワタシが3枚卸しにされるわ」
「パックに毛が入ってるって言ったら、今忙しいから後にしろっ!!って怒鳴られたわ」
「従業員には手をしっかり洗えって言ってる店長。自分はトイレで手を洗わないんだよ」

店内、バックヤードの整理整頓、衛生管理は基本中の基本。

キャベツ並べて、刺身切って、肉スライスして、
豚カツ揚げて、寿司握って、パックして売り場に並べたら終わりではありません。
もちろん、生鮮だけではありません。

お客の胃袋に入って、トイレに流されるまで責任があります。

自分の衛生管理ができない人間に、商品を売る資格はありません。
忙しさとクリンリネスは別問題。

あなたのお店は大丈夫ですか。

野良猫やカラスの集会場になってる店。or
磨かれたバックヤードで、おいしい惣菜作って、お客が喜んで買って行く店。

どちらが良いですか。


殺人鬼Ⅰ

品出しカートで運ばれてくる生鮮パック。
「あら、新しい商品が出てきたわ」と覗き込むお客。

そんな時、ふと品出しカートを見ると。
これが案外、汚れている。

・肉片やツマの大根が絡まった車輪。
・ひき肉のカス、干からびた肉片、魚の返り血がべっとり。

いつも加工している人間にとっては、当たり前の景色ですが、
そのままの状態で、 カートを売り場に出さないようにしましょう。

「開店準備だけでも忙しいのに、カートまで掃除している暇、無いよ」

難しい事は言いません。
品出しに出る前に、キッチンタオルで拭いてください。


殺人鬼Ⅱ

「いらっしゃいませー」
若くて威勢は良いが、エプロンは返り血で真っ赤。
黒ずんだ作業着のポケット周り。

せっかくの男前が台無し。

しかも指にはカットバン。

作業着の汚れを見れば、その人の仕事の良し悪しがわかります。


庖丁で一突き。

作業台の棚に並んでいるトレー袋を、庖丁で突き刺して取ってはいけません。

包丁を振り回してはいけません。

面倒でも手で取ってください。


お昼の菌倍増計画。

休憩中の畜産バックルーム。

まな板が汚れっぱなしで、庖丁も出しっぱなし。
常温で細菌を放置すると、1時間でどのくらい増殖するのでしょう。

「大丈夫!肉なんて焼くんだから。菌も焼け死んじゃうよ。バカだなぁ」

あなたの腹の肉、剥ぎ取ってあげましょうか。
しかるべき処理があるでしょう。

いくらお客が家のまな板を清潔にしても、店のまな板が不潔だったら意味がありません。


店内通路に黒い車輪跡。

跡をたどると、バックヤードにつながるスイングドアの奥へ。

バックヤードの床が汚れていると、台車や品だしカートの車輪も汚れます。
とくに古い店舗は、惣菜や畜産の脂も付きやすくなります。

定期的に洗い流しましょう。


従業員トイレをお客と併用。

「トイレ→」の案内板に従って、スイングドアへと進みます。

・ドアのすぐ裏に置いてあった試食台。
 知らずに開けたら、試食台と乗っていたトースターとまな板を引っくり返してしまった。
・スイングドア下部のマットがずぶ濡れ。
・掃除ロッカーにしまわれず、通路の壁に並べてある長靴やモップ。
・脇の生ゴミ庫から溢れて倒れた、鮮魚の発砲スチロール箱。
・換気扇がホコリだらけ。カラカラ音をたてて回る。

バックヤードは、従業員の心の鏡です。


洗浄液が空のトイレ。

「このトイレは従業員も使用します」

この貼り紙ってよく見ますけど。本当なんでしょうか。

ある店で聞いたところ、
「あ!teruさん。ありゃウソ。ああ書かないと、万引きした品物トイレで食べちゃうんだよね。社員トイレはあるよ」
「まあ、防犯上って事もあるんだよね。トイレって死角でしょ。まさか、売り場みたいにカメラ付けとけないし」

と、仰っていた店長さんがおられました。
もちろん、従業員も使っている店もありますが、定期見回りを含んだ意味合いで書いている店も。
店によって、さまざまなようです。

ただね。店長、おたくのトイレ、先週から洗浄液が空なんですけど。

「大丈夫!!teruさん。バックヤード戻ってから商品触る前に、キチンと洗浄するって。取りあえず水で洗っただけ」

は?用を足したあと、すぐに洗浄しなくてどうするんですか。
汚れた手でズポンやスカート掴み、スイングドア開けて、バック行くまで、店内のアレコレ触ってるんですよ。

それ触った後に、洗浄して消毒したって意味が無いでしょう。
せっかく手が綺麗になっても、また細菌が付くじゃない。

手洗いの基本を知ってますか?
感染ルートを絶つ意味もあるんです。

感染ルートを絶たなくて、客の生命を絶ったら、どう責任取りますか。
手を洗わずに、業界から脚を洗うなんて冗談にもなりません。

食品売り場、バックルームが清潔であり、従業員の関係も清潔であることを望みます。


商品搬入口にあふれた台車。

倉庫に入りきらず、台車に乗って商品搬入口にあふれかえった在庫の山。

雪が降ってるんですけど。
サラダ油やトイレットペーパーらしきカートンに薄っすら積もる。

夏の炎天下なんですけど。
菓子類や雑貨類のカートンに重なる蜃気楼。

冷蔵トラック借りたり、テント張ったりできませんか。


店舗裏がカオス。

店舗裏に牛乳やヨーグルト、パンや日配、青果や精肉の通いケースが散乱。
ついでに、発泡スチロール箱に段ボール箱、回収したトレーの大袋も放置。

放火されたら、どうします?

一時的ならまだしも、常態化しないでください。


※本稿は過去記事をリライトしたものです。