悪徳商売

■8/12 悪徳商売

9時開店と同時に、滝の如くお客が流れ込む。
店内大騒ぎで、カートは無いわカゴは足りんわ・・。

「こら!カゴが無いぞ!買い物させんつもりか!」
「はっ。少々御待ち下さいませっ。」

「ちょっと!さっきから待ってても、2,000円のサシミが出てこないワ!」
「はっ。少々御待ち下さいませっ。」

「アンタ。トイレドコよ。」
「はっ。コチラでございますっ。」

スーパー「永遠」の影響で、昨年より落ち込むだろうと予想していたが、
それに反し大盛況である。

盆と年末はスーパーの通信簿とはよく言ったものだ。

盛り籠、オサシミ、オードブル、盆菓子、飲料水は飛ぶ様に売れます・・。
と言って、他の部門に黙って売上を譲るわけにはイカンので演出をする。

いつもは面倒くさくてしない、エンドレステープをボリューム上げたり・・。
デカイPOPを作って、天井からケースからバシバシ貼ったり・・。
とにかく、鮮魚コーナーまで届く様に、肉の試食ガンガン焼いて・・。(臭い?)

家族連れで来ても、実質カネを握っているのは、美人妻達なので、
畜産コーナー前には、年上キラー音次郎とバイトを立たせ、売り込みをさせる。

てんちょーにお盆バイトを、男子高校生に限定するのはその意味もある。

くたびれた不精ヒゲの、売れ残り鮮魚主任より、
ワカイオトコを売り場に侍らせて、笑わせておけば美人妻達は寄って来る。

・・これは実際、我が畜産パートさんの意見と、女性店員の意見である。

女性の意見は、マジで重要である。

ワカイオトコと、ヘルシーな試食。

目一杯広げた焼肉コーナーと、焼き鳥コーナーとローストビーフ・ポーク。
わたしのその策略で、畜産の売上もなんとかクリアするのである。

・・姉妹店の畜産主任。悪徳商売していると全店でウワサされ。

でもねぇ。コツコツ売り場作ってるだけでもイイんだけど・・。
アイデアと発想が売りだと自分で思ってる。

別に売上とろうとか、客を寄せ付けようと思っていると言うよりも・・、
ただ売り場でお客さんが、喜んで買い物している姿が見たいだけなのです。

それだけでの演出なんでございます。