五月病を吹っ飛ばせ

この時期、一般的に言う「5月病」を患う新入社員も多いようで、覚える仕事もたくさんあるうえ、脳内パニック状態に陥っている人も少なくないのかと。しかも、5月のゴールデンウイークは流通業にとって稼ぎ時。指示書の作業がなかなか終わらず、冷蔵庫の中で半ベソをかいて原木を探していた、過去の自分を思い出しますが、頭と体が付いていかずに、「もう辞めたい。向いていないのかも」と、深くため息をつく頃でもあるのかと。

ただ、部門や個人によって覚えるスピードは異なりますが、半ベソをかきつつも半年もすれば粗方、ベースは出来上がるようにも見えます。指示書一つでも無事作業を完了する積み重ねで、達成感を得られる瞬間も増え、自然と自信もついてくるのかと。親や教師には「仕事が大変なのは当たり前だ。3年もすれば一人前になる」と、言われたことを思い出します。

しかし、本当に「石の上にも三年」なのか

【石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)】
[石の上でも3年続けてすわれば暖まるとの意から]辛抱すれば必ず成功するという意。(広辞苑)

職業によって一概には言えませんが、少なくとも流通業のスーパーマーケットに限って言えば、現場で3年も働けば、多くは一人前になるでしょう。当時は自分もそんなものだと信じていました。ただ、未だに「石の上にも三年」と、アドバイスしている中高年のオッサン上司を見かけますが、果たして適切なのだろうかと。

親方や主任の仕事を見て覚える。発注や売り場の動向を体で覚える。少なくても四半世紀前までは、春夏秋冬1年の動向を実際に見ながら、1年目で基礎作業と知識の習得、2年目で基礎作業のブラッシュアップおよび発注作業の習得、3年目で発注作業のブラッシュアップと部下育成の習得という流れでした。それと並行して、接客の経験値を上げていきます。

しかしながら、今では部屋で寝そべりながら、スマートフォンを介して現場を学べます。動画で店頭やバックヤードのオシゴトを中継している店舗もあり、就職前にかなりのイメージトレーニングはしていると察します。さらにその仕事に興味をもてば、学生時代にインターンシップに参加しているはずですし、その時点で向き不向きも一定の判断はできているのかと。

加えて、中堅チェーン店であれば、オートメーション化も進んでおり、3年と言わず1年もすれば「本当に自分に向いている仕事なのか」「続けていける仕事なのか」と、判断できる印象です。もっとも、1年も必要としないかもしれませんし、そもそも就職しないのかもしれません。そう考えると、オッサン上司の「石の上にも三年」アドバイスに、もはや意味はないのかと。

時間がもったいない!嫌なら辞める方向で考える。

学校の就職相談室の棚に積んであった、紐で綴じられているだけの求人票から、これが一生の仕事だと決めたであろうオッサン上司にとっては、考えられないことでしょうが、いまどき「一生モノの仕事」を貫ける人は、そう多くはないのかと。何百年も続いてきた職種がここ数年で消えたり、数年前には想像もしなかった職種が生まれたり、まだ10年くらい続くだろうと予想された新しい職種も、3年くらいでトーンダウンしたりと。

「一生モノの仕事」を貫ければ、それはそれで素晴らしいことですが、それプラス、多種の仕事で飯が食える人間でなければ、一つの会社や仕事にしがみついているようでは、年を取ってからクビを切られて、路頭に迷う姿は容易に想像できます。

結局のところ、上司や会社の待遇を毎日愚痴りながら3年間我慢したところで、いつかは辞めてしまうのであれば、その3年間を新しいステージで自分のスキルアップのために活かすべきかと。そもそも、「石の上にも三年」とアドバイスする上司に限って、部下を使い捨てくらいにしか考えておらず、3年もすれば店舗移動もあるからという前提の、その場しのぎの言葉としか思えません。

かつて、辞めたいと相談を受けた新入社員に対し、「じゃあ、他にやりたいことがあるのか」などと、個人的には愚問としか考えられない発言をして、突き放して話を終わりの方向に進めてしまう上司もいましたが、せめて嘘でもいいから一緒に考えるくらいの度量の広さをもって欲しいです。

「やりたいことがないなら、やれそうな職業を一緒に考えよう」
「きみならこんな職業が向いているかも。どうよ?」
「〇〇に興味があるみたいだから、そっちの勉強してみる?」

いざ突き詰めて考えてみると、今の仕事と天秤をかける面も増えるので、自ずと消去法で選別できるのかと。もしかしたら、資格が必要かもしれないし、年齢によっては早めの決断が必要かもしれません。踏み出す勇気は本人に依存しますが、「石が温まるまで、三年は我慢しろ」「じゃあ、他にやりたいことがあるのか」などと無責任に突き放すよりは、よほどマシだと考えます。

いろいろと天秤にかけてみて、「とりあえず、続けてみます」の返答があれば、本人の中で消化不良だった悩みが一時的ではあるにしろ、薄められることで、日々の悶々とした気持ちも少しは整理できますし、結果としてハードルを越えたことになるのかもしれません。新たな道が見つかれば、それは退職の理由になりますし、失敗するかしないかは上司が心配することではなく、本人の問題です。

続けるのであれば

続ける結論を出したとしても、仕事の選択肢を増やすトレーニングを経験したことで、常に自分の置かれた状況を客観的に判断できる脳に成長します。考えることもせず、一つの会社や仕事にしがみつくオジサン上司よりはマシですし、将来は会社にとって大きな存在になっているかもしれません。

一つの仕事を貫きつつも、常に違う仕事も視野に入れている方が、本人にとって建設的な生き方ですし、会社にとっても柔軟性のある人材として期待できる存在であるのかと感じます。

仕事が順調でも、「別の自分」を常に思い描いて生きるのも楽しいかと。

※以上、あくまで個人的な見解です。

j-rakuda

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