主任の回想録

畜産部のとある一日

開店準備(開店1時間半前~)

主任はパートさんより30分ほど早めに出社し、
値引き商品や、消費期限切れ商品を売り場から撤去。
きれいサッパリとしたオープンケースを眺めながら、
販売計画に基づいた棚割と、レイアウトの全体確認。
パートさんに対して商品作りの指示書を作成します。

そのうち、センターからの一便が到着するので、
荷受けをサブに任せて、プロセスセンター産の商品と、
一部、仕越し商品を合わせて陳列します。

サブの技術次第ですが、
基本的な作業ができるようになったら、
主任の仕事をサブにさせ、主任がサブ側にまわります。

…と言うか、これができないと主任は休めません。
古参店のように、技術の高いパートさんが揃っていれば、
うまい具合にローテーションを組めて、
準社員やパートさんを中心に開店準備は進みますが、
新規オープンから日の浅い店舗は、主任の負担が大きくなります。

…話を元に戻しますと、
開店1時間くらい前になると、準社員やパートさんが出社してきます。
開店分の商品作りを担当するパートさんと、加工品追加や品質チェックなど、
売り場全体の前陳列と整理整頓を担当するパートさんに分かれて作業。
サブも牛肉や豚肉の加工作業を行います。

次々とパックに詰められた商品が出来あがってくるので、
ひたすらパッカーとにらめっこ。
パックをして値付けして、売り場に陳列する作業が続きます。

全商品をプロセスセンター産で陳列する店舗もありますが、
店内加工で対応している店舗は、開店分をプロセスセンター産で補い、
朝の作業負担を減らすことも。

プロセスセンターやパッカーの無い時代や、
全てを店内加工で手でパックする小型店の場合は、
体力に自信が無いと、仕事は務まりません。
二日酔いや風邪をひいている日は最悪です。


開店時間

いかに開店率100%にもっていくか、

「おい!まだ売り場が埋まってないじゃないか」
「どうして売れ筋が一番後になるんだ」
「挽肉の小パックはないのか」
「ギョーザの皮はまた欠品か」

店長の光る目が気になって、精神的に良くない時間帯です。
お前も手伝え!と、尻を蹴っ飛ばしたい気持ちです。

そして、静かだった店内にBGMが流れ始め、エントランスの照明が付き、
店内の空調も動き始めると同時に、売り場を埋めなければならないという
プレッシャーも高まりつつ、ひたすら商品を陳列する。
バックヤードのパートさん達も、ひたすら商品を作り続けます。


開店から1時間経過

やはり、売り場を全部埋めるには、開店から1時間くらい経ってしまいます。
今でも他店の開店準備を見ると、9時開店で遅くとも10時半頃には埋まっている印象です。

畜産売り場の場合、お惣菜売り場と違って、
時間帯によって売り場を頻繁に変更しないので、
(朝から昼はお弁当やお寿司、夕方は夕食商品 etc)
一度埋めてしまえば、あとは惰性で一日いけるかと。
(こう書くと怒られそうですが)


昼から夕方まで

開店準備はそれぞれの作業分担は決まっていますが、
以降は、対応できる人がその都度、商品追加と言った感じ。

主任は備品発注や加工品発注、販売企画を作ります。
(技術によってはサブが対応します)

油断大敵。
チャンスロスを防ぐべく、売り場に目を光らせます。

【余談】
海岸やレジャー施設の近い店舗立地によっては、
大量の肉を買い込むイレギュラーなお客を見込める夏場は、
7月から9月までの売上が、年間の大半を占める店舗もあるようです。

まだ、開店時間でもないのに、エントランスとレジが開けられ、
半裸のお客が肉を買っていくという景色も。

そんな時は綺麗ごとを言っていられないので、
売り場が穴だらけであろうが、ひたすら焼肉用商品の補充を続けます。


夕方

値引きタイミングを見ながら、売り場を可変していきます。
鶏肉や挽肉、調理用に使う薄切りやとんかつ用の切り身などは、
少しずつ狭めていき、夏場は焼肉、冬場は鍋材など広げます。
ほかにも動きの良い商品があれば、同じく場所を広げます。

調子のよい青果主任は、
いそいそと追加分の野菜セットをもって
畜産売り場にやってきて、

「これを置くともっと売れるよ」と、
頼みもしないのに、手慣れた手つきで並べていきます。

売り場も広くないので、他部門に貢献したくはないのですが、
夏場と冬場は少し場所を開けてあげます。

少しでも売上アップを意識してか、
本部指示の野菜セット以外でも、
いろいろ組み合わせを考えて野菜セットを作り、
また、いそいそと並べていく姿がいじらしい。


夜間

バラ売りの商品はパック詰めにし、陳列し直します。
理想としては値引き商品は、ほどんどなくなり、
「売れ残り」が少ない「売り切り」売り場になればよいかと。

鶏肉や挽肉、薄切り商品が最低限の量で残り、
日替わり商品や焼肉、鍋材にほどよくボリュームを付けます。
「程良い品薄さ」を目指します。

夜が深まるにつれ、 ウインナーやハンバーグと言った加工品が売れるようになるので、
もう手はかかりません。
後は夜間マネージャーに、定期的な前陳列をお願いして帰ります。

(たまに缶コーヒーを差し入れておくと、
翌朝、売り場が完璧な形で整理されています)

と、本当はここで帰宅できればいいのですが、
伝票整理や書類作成など、残務整理がもろもろありまして。
結局のところ、出社も退社も外は真っ暗。

なのに、20時間以上の残業はつかない。

スーパーマーケットって大変ですね。

j-rakuda

管理人teru 新潟のスーパーマーケット情報サイトやってます。 PC:http://www.j-rakuda.com/